対馬釣行記 ~DAY 2~
DAY 2 2018年4月11日 天候:雨のち晴れ
釣行初日、今年初めてのアオリイカを釣った筆者であったが、それからほどなく釣りを終えると早々に爆睡。友人は早朝釣りに行くかもとか言っていたものの、結局お宿の朝食の時間ちょっと前にどちらも起床し、結局早朝釣りとか全く関係なく、食事部屋のテレビ(意外とデカくて42~46型くらいある)で朝のニュースを見ている。
でもそんなことはどうでも良いんだ、見てくれこの朝ごはんをよ……。
美味そうだろ? ていうか美味いんだ。奥にあるのは冷奴とめかぶと温玉的なやつですな。手前の小皿は高菜(福岡っぽい辛いタイプではない)だったかと。魚はとにかく綺麗に食う勢なのでアラカブに関して食えない骨以外は全部食ってやりましたわ。汁にもしっかり魚の旨味が出ていて、ご飯にもよくあってまさに至福の時間……。そう、俺はこのために対馬に来たんだよ……これは、美味いもの食べ歩き旅なんだ……。
と思考が脱線しかけたものの、友人に今日の釣り予定を訊かれたのでモチベーションは再び釣りへと向いてゆく。
さて、実は早朝から朝食までの間、大雨とは言わないまでも雨が降っていたのだが、ちょうど宿を発つ準備ができた頃には雨が上がったようで、まだ空模様自体は怪しいものの、宿の精算を済ませてお礼を述べ、次の釣り場へと出発した。
釣行二日目の日中はとりあえず、対馬の北西岸を攻めるということであらかじめ決めていた。釣り番組でも出るような有名な釣り場があることを知っているし、そうでなくともまあやはり初めての土地だからこそ色々なシチュエーションを試したいというのもある。
まず最初に入ったのは、対馬のなかでも西寄りの北西部に位置する伊奈港。到着は10時をやや超えた程度かと。こちらは事前調査というよりもレンタカー屋さんで聞いた情報を参考にしてやって来た感じかしら。
やっぱり対馬というのはひとの手が入っていないであろう場所でも地形が独特で、有名なリアス式海岸だけでなく奇岩や面白地層っぽいものもドライブしているとそこかしこに観ることが出来ます。
そんでこの伊奈の堤防、ちょうど画面正面あたりから投げるものの、風も強いせいか画面右側から白波めいたものが流れてきて、エギが画面左に流されるのかなと思うものの、画面外左側河口からの流れと上手く噛んでいるのかそんなに流されず、比較的藻にも恵まれ風向きの問題も意外と処理しやすい釣り場なので期待したが……一時間以上色々試して粘ったものの釣れず、次の釣り場へと移動することに。
次の目的地は昼食も込みで設定ということで、昼食場所を上県町佐須奈にある「あがたの里 そば道場」に決め、対馬名物であり一説では蕎麦伝来の地として十割蕎麦の伝統を受け継ぐ対州そばに舌鼓を打ち戦いに備える。
駐車場にたどり着いてみるとまず驚くのはでっかい水車の櫓、これはなんと店内の製粉室と連動しており贅沢な機能美を備えていらっしゃる。
製粉室の画像今見たら本人がっつり写真に写り込んでたので削除したのは勘弁な。とはいえ水車と製粉室を観るだけでも結構得をした気になる施設ですぞ。
友人はざると対馬名物らしい「とんちゃん」を乗っけたミニ丼をプラスして注文(864円/税込)、自分は宿の朝食が多かったこともあり、シンプルにごぼう天蕎麦。(540円/税込)
ご当地名物というにはふつうにリーズナブルで、やや平打ち気味な麺と、十割蕎麦な分歯ごたえがぷちっと弾けているというか噛んでいて楽しかったので、自分もざるにするのが正解だったのかなと思いつつも完食。お値段はリーズナブルですが、しっかりお腹を満たしてくれるし好奇心を美味しく満足させてくれました。
食事を終えたら当然ながら釣りですわ。
というわけで訪れたのが、佐須奈の漁港の先にある地磯。
潮の兼ね合いもあるのかも知れないけれど、やや遠浅なイメージの続く地磯で、偏光グラスを覗く限りだとあまり藻場には期待できない。外洋寄りに向くと真っ向から風を受けることもあり、比較的湾の内側に向けて投げてみるものの、岩場の底で根掛かりすることはあっても反応は薄い。面白いシチュエーションの場所ではあったのだけれども、早々に見切って次の釣り場へ……となったのだが、時間が時間なので、一旦二日目に泊まる民宿へのチェックインを済ませてから行こうということに。
二日目の宿泊地は対馬最北部にほど近い、比田勝港の隣にある西泊港。
しばらくして宿泊地に到着して、宿のかたと話してチェックイン。ここは一泊朝食付きで予約してあるものの、朝食の時間さえ言って合わせてもらえたなら、今回はほかに宿泊客のいない貸し切り状態なので、あとは好きな時間に出入りされていいとのお達し。それは釣り人にはうれし。
前日の反省もあり、自分は宿で風呂に入るのを辞退し、翌日早朝シャワーを浴びると決め、日暮れ前に次の釣り場へと出発する。目的地は千尋藻。おおよそ一時間近くは掛かってしまう距離ではあるが、初日の宿泊地の漁港である。(この二日見て一番有望そうな釣り場だったという判定ゆえ、実際に釣れたし)
まあ意気込んで始めたのだけれど、簡単に釣れたら苦労しないわね。
前日ほどの強風でもなく、比較的狙った場所を釣りやすい好シチュエーションながら、イカからのお返事が遠い。日が暮れて18時過ぎまで釣りをしていたのだけれど、取りあえず夕食の場所として予約した対馬の穴子専門店へと向かうことに……。
訪れたのは豊玉町にある、対馬の黄金あなごを取り扱う有名店『あなご亭』さん。
有名店とはいえ特別気取っているということもなくて、客層にせよ地元か観光の方の落ち着いたひと中心で入りやすく、平日のディナータイムは落ち着いた居酒屋くらいの雰囲気です。ただ夜は基本的にコース料理(3000円)からの受け付けになるため、パシャパシャ撮る許可を伺うのも軽めにこっ恥ずかしいということで、個別料理の画像はございませぬ。
基本的に優しいお味で、酸味が効いているものでも苦手な層にも食べやすい味わいになっています。コースは基本的にどれを選んでもアナゴ尽くしなのですが、「せいろ蒸し」「穴子カツ」「穴子寿司(このコースのみ前日以前予約)」という枠から選べるようで、我々はなんか前者のせいろ蒸しコースを選びました。
前菜で出てくる刺身や、サラダのカルパッチョ的なものにもあなごやその皮(コリコリして美味い)が活かされていて、なかなか幅が広いと思わせるのですが、せいろ蒸しに関しても抜かりは全くなく、うなぎにあるような良い意味にも悪い意味にもなるクドさがあなごのせいろ蒸しにはなく、食感的には近いものながらもサラリと食べられました。デザートとアフターコーヒーも付くし、これ考えたら柳川でうなぎ食わなくても楽しめるんだなってちょっと楽しくなりました。いやあ、対馬ってうまいもの大国だなあ。
せーの、
明日もごはんが美味しいぞい!
で終われるはずもなく、食後はまた千尋藻港の釣り場に戻り細かく場所をチェックしますがその後数時間、反応なし。前日釣れた時間くらいまで粘るもののイカの反応はなく宿へと戻ることに。
たった一時間ほど車に乗って十匹以上の野生のシカを夜道に見た俺たちは、対馬に野生の王国という二つ名を冠しながら、キャンプとか絶対にしたくねえーなと気持ちを新たにするのであった。
「明日は早朝から釣りに行ってくらあ……」
友人の宣言は達成されるか、如何に!?
せーの、
明日は景色が綺麗じゃぞい!
次回の釣行ブログのテーマは、「けしきがすごい、すごいっていい」です。
・使用タックル
お前の腕で釣れていないのに明かしてはいけない