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対馬釣行記 ~DAY 1~

DAY 1 2018年4月10日 天候:晴れ

 対馬釣行初日なのだが、その日の深夜2時に仕事を終え、家への帰宅は3時。
 釣行の準備は事前にほとんど終えている。最後に必要な細々としたものをバッグに詰めて……それで寝れれば良いのだが、染みついた夜型体質というのはなかなかどうにもならないもので、うとうとと5時くらいまで水曜どうでしょうとかをだらだらと見てしまう。屋久島の釣りバカだっけな、違うかも知んねえなまあいいや。
 ……で、気づいたらベッドで睡眠しており、耳元でけたたましく鳴る電子音。
「……おや?」
 スマホを開いた瞬間に、9:05の文字を見て寝坊したことに気づく。集合予定時間は8:40――ダッシュで電話に出ながら着替えて外出。外にいる友人の車に荷物を詰め込む。こう見えて滅多に寝坊というのをしないタイプなので、いざ発生するとめっちゃ焦る。
 対馬行きフェリーの出港時間は10:00で、次の便は本日もうございません。めっちゃヤバいのである。
 急いで車に乗り込み、友人にすまねえと謝罪。高速代は俺が出すからよろしく頼むということで出発し――まあ、かなり小さな紆余曲折があったのちにぎりぎりなんとかフェリーに乗船する。乗船タイミングは9:56。乗船券の購入も船内でという有様で、ほんとうに温情で乗っけてもらいました。

 本当にありがとうございます、九州郵船――。
 しかしまあ、フェリーに乗り込めればここからは一応計画通りに進められるわけで、ジュースを飲んでひと心地ついたら船内を軽く散策して、大まかな旅程を友人に伝えたり客室に荷物を置いたりする。
 キャリーケースには大きめのクーラーボックス(なかに小さめのクーラーバッグと保冷剤とドリンク)、PCバッグ、トラベル用に使っているバッグを各々釣り道具入れと着替え入れとして積み、さらには釣り竿三本を積んだロッドケースまで持って来ているので、まあ大荷物。しかも出港ギリギリに乗船したおかげで、客室に荷物を下ろすタイミングでは既に船が動き出しており、エレベーターを使えず手持ちで荷降ろしすることに。
 まあ、色々丹念な準備と経験が大事だぞ、という教訓ですわ……。
 さあ、フェリーに乗ったとなると色々な楽しみが出てくる。
 二等客室の雑魚寝に、自販機でめしタイムや船室外で景色を眺めたりとか。ただしかし、自分はこの赤の後者を選ぶぞ。雑魚寝なんてするかアホが我は船を満喫しに来たんだぞと言わんかのごとく、船をうろつきながらチューハイを飲み、時折自販機で売っている冷食やカップ麺を食べるなどの愚行に走りました。
 いいよね……たまの遠出だもん、対馬着後の運転も相方に任せると事前に言ってるしいいよね……。

 さて、この某メーカーの冷食自販機、美味い不味いで質問するのは愚問、こういうのは波に揺られる揺られる特殊なシチュエーションで食べて、大海原を観ながら「たのしー!」と述べて楽しむものなんでな。決して冷食自販機の焼きそばが解凍しきれてなかったとかいうのは特筆することではないのです。そういうこともあるのです。それ込みで旅なのです……なのです……。(人力エコー)
 相方も船室で寝こけたのを確認すると、自分はしばらくのんびりと外で音楽を聴きながら海を眺めるという感じになりまして、海に揺られ時折波しぶきを浴びながら、思った以上に青く晴れてくれた空の下でひとりっきりのお時間。ああ、最高……。

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 冷食の焼きそばは麺が平打ちでした。手前にある割り箸は結構短いので注意。

 船内をうろちょろして海を眺めながらうとうとして、そうこうしていたら意外とフェリーで過ごす四時間はあっという間に過ぎてゆくようで、到着が近いというアナウンスを受けて、いったん解いた荷物を再度積み直すと友人を起こして下船の準備。
 自分たちは荷物があるので、他のお客さんよりも後ろに構えてスタンバイします。
 しかし対馬の厳原フェリー発着所はエレベーターがないので、これまた力技による手での荷物運搬となり運動不足が服着て歩いている俺の腕は既にピンチよ!
 これも、インターネットが俺に対馬遠征の情報をくれなかったせいだ。
 今回予約したバジェットレンタカーの厳原SS店ですが、フェリーからも100m今日しか離れておりません。

 だ が。
 D A G A(頭の悪そうなコード進行ではない)!
 この腕にはもはやSASUKEの第3ステージくらいの乳酸が溜まっており、もはや腕力(かいなぢから)というものも出てこねえ。
 それでも俺は最後の力を振り絞り――。(まだ釣行初日やお前)

 到着すると、レンタカーの店舗個別サイトに「エギング情報に強い」と書いてあるのを事前に見ていたので、あらかじめ連絡しておき、車の傷点検なんかを友人に任せながら早々に契約話とレンタル時間分の精算を終えて、チーフっぽいひとから色んな場所の航空写真と攻略情報のコピーを出してもらいながら、傷チェックを終えた友人も合流し、エギング談義に。ただでさえ直近の情報が得づらいなかでもこのレンタカー屋さんの情報はかなり体験に基づいていめっちゃ有り難い。これだけでもここのレンタカー屋さんしといてよかったなあと。
 ひととおり話を終えて、今回借りたトヨタ・ヴィッツに荷物を積み込むとさあ出発。店員さんの見送りを受けながら、一日目の宿をめざしていざ北上。

 今回の釣り旅行プランでは、まず夕方に初日の宿にチェックイン。そうして、夕食のお時間までは近くの漁港で釣りをしてから、宿での夕食に風呂、そこから宿の消灯時間次第ではまた夜釣りにという感じ。
 そんで初日のお宿にたどり着いて、チェックインののち釣り開始……。

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 しかし、天候は晴れているもの凄まじい爆風。ちょうど北北西くらいの向きで吹き付けるタイプの風ながらこれ、立 っ て い る の も き つ い。
 近くで釣りしてる友人へと話しかける声などもはや、風圧で千々に乱れて千の風になってあの大きな空を吹き渡るくらいの状態。まして、レンタカー屋さんでもらったポイント図にある狙いの方向とは風の方向との兼ね合いで全く相性が悪い。
 エギングとは基本ラインと自分の位置をまっすぐに調節して、適切な方向に動かすことで狙った通りの釣り方ができるタイプの釣りであって、狙いたい場所に対して真横に吹く風というのはまったくのNGです。糸が風を受けた分その方向に孕んでしまい、適切なアクションも狙いの場所もトレースできない、それではいけない。
 とはいえ、諦めるわけにはいきますまいと、追い風方向だけでなく出来るだけ色んな方向を試して投げてみるも、結局夕食のタイミングまで釣果なし。

 にわかに肩を落としながら宿に戻った一行であったが、そこで待っていたのは・・・
 美味い海産物のオンパレード!!
 イカの刺身うめえ! タコ刺しうめえ! あと初めて食ったがワカメの刺身カルチャーショック受けるくらいにうめえ! お前味噌汁に入って脇役するんじゃねえのかよ完全に主役張れる味わい深さだよ!
 そしてヒオウギ貝!!? マジでこんなの出るんだやべえ! うめえ!!
 基本、ただただうめえとしか思わずに食事終了。写真がないのは、ぶっちゃけそんな暇がないくらいに美味いもののオンパレードだと思っていただければと。
 民泊ながら贅を尽くした海産まつりという感じで、これで宿代は一泊二食で税込み7,800円。夕食を食べ終える頃には、これは次回対馬遠征するときには拠点として複数日利用させてもらいたいなと決めるレベルですごかったですわ。
 そして友人のあとにつづいて風呂をいただき……部屋に戻ったらうとうとタイムですわね。心地よい微睡みのなかTwitterでもやるか―とのんびりしている俺に

友人「そろそろ、夜釣りに行こう」
ワイ「せやな(涙)」

 全部まだ互いに釣れてへんのがあかんのや、釣れてへんのが。
 そうして、宿のある港町の漁港を再び攻めることに。
 夕方の釣行の段でも分かってはいたものの、やはりこの釣り場は時期的なものかも知れないが、小魚の魚影がかなり濃い。福岡県内だけと言わず、佐賀や長崎県の平戸釣行までの経験踏まえても、一~二を争うくらいに捕食対象的な良いサイズの小魚が見える。やっぱこれ釣るのに良い環境だな―と思いつつ、エギのフォールのさせ方やしゃくり方など色んなことを試しながら釣っていると、

 お?

 おお!?

 手元に伝わる生命感!!

 一度しっかりアワセ(針を食い込ませる動作)を入れてから、リールを巻いていてもブルブルと手元に伝わってくる生き物の鼓動は変わらず、取り上げるまでしばらくの間その感触を味わいつつリールを巻き、獲物との距離を近づけてゆく……。
 そして、友人が今回初おろしのギャフを利用して……

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おかしい、こんなことはあってはならない

 釣ったんですよ。アオリイカ
 ただ、ギャフで上げた分早めに海に返してあげないとという思いと、うわあやった釣れたという興奮で上手くスマホが扱えずこの有様だよ。
 多分画面右奥に向けて足が伸びているものと思われます。とりあえず、550gではありましたが、去年エギングを始めたような自分には地味にレコードサイズ。本当は2kg以上を目指して対馬に来たというのはみんなには内緒だ。お兄さんとの約束だぞ。

 結局、早めにリリースしたので、そのあとイカは割とすぐに動き出して去っていきました。二日目なら持って帰る気でいたのですが、保冷剤も宿に着く段で限界を迎えてたりと色々厳しかったので、この場では流石にスルー。
 友人は俺が釣れる前にアタリがあったので、釣れたイカを見てさらにテンション上がって頑張ったのですが、しばらくして寒さによってタイムアップ。
 宿に戻って、いざ就寝ですわ。

 初日で釣れたんだから、こりゃ三日もあれば結構楽しいことになりそうだぜ。
 そんな期待を胸に寝た夜がよもやあんな絶望に満ちた朝を招こうとは……
 さて、次回の対馬旅行ブログ、テーマは「ごはんがおいしい」です。

 せーの、

 次回もごはんがおいしいぞい!(釣りはどうしたよお前)

・使用タックル
 ROD:Daiwa Emeraldas STOIST AGS 84M
 REEL:Daiwa Theory 2508PE-H
 EGI:Daiwa エメラルダスラトル TYPE-S(主に)