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対馬釣行記 ~ちょっとその前に~

 これは、インターネット世界に対する復讐だ――。
 そう、対馬に釣り遠征をする際の情報とかあんまり教えてくれないインターネットへの――――。

 

 ライトノベルの帯とかに書かれそうな力強い文面から始めてみましたが、これといって派手な内容のスペクタクルでお送りするわけではございません。
 対馬遠征の釣行にあたり色々と事前準備や調査をしておりましたが、有用な情報というのは結構得づらい印象でした。ということもあって、「対馬に釣りに行くよ」というひとへ役に立つ内容になればいいなという感じで、対馬遠征の際に掛かる経費や準備しておくと良いものなんかを書いておこうと思います。
 

 さて、対馬に向けて福岡から出発する場合、空路と海路で二通り選択肢がございます。船旅を選択した場合、博多のベイサイドプレイスから出ている九州郵船のフェリーおよび高速船が選択肢となります。フェリーと高速船で料金は1.5倍ほど変わってまいりますが、到着までのお時間は二分の一ほどに短縮できます。シンプルに「時は金なり」というやつです。
 どちらを選択しても対馬までは一日二便しかありません(一日二回トイレに行くしかないわけではありません)。お値段の高さとしては、飛行機 > 高速船 > フェリーの順になりまして、自分たちの場合はある程度出費を抑えたかったこともありフェリーでの対馬行を選択しました。
 フェリーでの遠征となると「マイカーを積むかどうか」という問題が発生します。対馬までの片道の船賃は通常ひとりあたり4,000円弱、往復で8,000円弱となります。しかしながら車両まで載せちゃうと、一般的なコンパクトカーサイズでも片道22,000円から30,000円弱くらいまで料金がかかってきます。
 対馬でレンタカーを借りる場合、自分たちの借りたバジェット・レンタカーで48時間の契約で12,000円弱、そこにプラス燃料代……これは3,000円弱ほどに収まりましたが、離島なのでリッターあたりのガソリン代は相場から30円ほど高かったりするので、メタクソに走り倒すひとはご注意ください。
 あと、レンタカー利用の場合、自身が出発する福岡側のフェリー乗り場に停めておく駐車場代なんかが必要になりますが、これはフェリー乗り場目の前の「ベイサイド第一駐車場」に停めましたが、全て平日のおよそ60時間で6,000円。実質100円/hという感じでした。
 車を積む場合とレンタカーでの料金比較ですが……

―マイカー積む(一台の場合)
 22,000~30,000 × 2 + 同行者人数分の往復船賃 + ガソリン代がおおよそ掛かる額となります。

―レンタカー(一台の場合)
 6,000~7,000 × 日数 + 全員の往復船賃 + 約100/hの駐車場代(ただし繁忙期でない平日) + ガソリン代という感じになり、
 自分の場合同行者が一名だったのとフェリーの時間都合でレンタカーは48時間分しか必要なかったので、全部割り勘として考えて、往復で17,000円くらいに収まりました。
 車を積んだ場合、同行者一名だと往復運賃の時点で足が出ますね。二日でと考えた場合、同行者三人くらいいてようやくひとりあたりにかかる額が同じくらいになります。遠征日数が増える場合でしたら、マイカーで行くというのもより効果的かも知れませんね。二泊三日程度の遠征なら、基本的にはレンタカーで充分だと思います。

 

 遠征に際して次に気になってくるのはお宿でしょうか……。
 これは正直な話、後述する要素との兼ね合いもあってある程度情報を仕入れてきちんと予約しておくことをおすすめします。
 対馬の宿なのですが、ホテル泊を望まれる場合だとフェリーがあって栄えている場所にしかホテルがございません。南側の厳原か北側の比田勝という選択肢になります。
 ただ、そのどちらも有望な釣り場からはいささか距離が離れがちなので、味のある場所やちょっと距離感の近い接客を好きだったり不快に思わないタイプの方であれば、民宿や民泊をおすすめします。価格も素泊まり4,000円くらいから一泊二食でも8,000円くらいに収まりますし、場所にもよるとは思いますが、当たりの場所を引くとぶっちゃけめっちゃご飯が美味しいです。ワカメ食ってうめえと思ったの初めてでやべえってなりました(美味くてほっぺたとかIQとか落っこちます)。
 民宿系だと比較的数があるので狙いたい釣り場に合わせてセッティングできますし、まあ第一選択肢で良いと思います。
 あと、釣り場で車中泊とかテント泊とかでよくねとか考えていくと多分結構ヤバいです。島内、フェリー乗り場を除くとゴミを処理しやすい場所というのはほとんどないです。家庭ごみ投棄的なものの対策は割としっかりしているので、宿に泊まったほうが出たゴミの処理もある程度は気楽になります。
 あと、対馬の夜やべえっす。基本ほとんど明かりがないし、山道とか走ってると一時間で十匹くらい野生のシカに出くわします。やべえっす。野生の王国っす。道走っていると「ここで◯月◯日にツシマヤマネコが交通事故に遭いました!」的な看板が出てきて、いやそんなに動物出るかよって最初は思いますが、出ます。運転への集中力が一気にあがるくらい 動物います。なのでまあ、野宿をやらかすにしても人里離れたところでやらないほうが良いと思います。食うの食われるのというのはさておき。
 これは豆知識なのですが、対馬のなかでも最北部に近い比田勝は韓国からのアクセスもよく(なんなら福岡から行くよりよっぽど近い)、「韓国展望所」という人気スポットにもほど近いため、その周辺で民宿を営業されているかたいわく「宿泊客の九割は韓国からの旅行客」だそうなので、比田勝で宿泊を予定される場合は韓国国内での大型連休なんかを外したほうが予約が取りやすいかも知れません。


 買い物やご飯周りの話になりますが……「絶対に要る」というものは対馬到着の前に用意しておくことを勧めます。逆に言えば「まあ多分あるやろ」くらいのものは現地で揃います。ただ、買い物に使える店の数は多くなくてそのひとつひとつが遠く離れていたりするので、考えて買い物することが大事になります。コンビニはフェリー乗り場のある厳原と比田勝にしかございませんが、ショッピングモールと呼ぶには無骨で機能的なお店の集合体(要はここで全部揃えてけ的な施設)がいくつかあるので、想像よりは不自由しないとは思います。釣具屋は自分が目にしたところだと厳原の「アングル」さんくらいでしたが、先述の集合体的なところにも割りと釣具の品揃えがあったりしますので、これもまた意外と不自由はしないかも。
 飲食ですが、名物を食べるにせよ腹に入ればなんでもいいにせよ、事前調査でお店の位置と営業時間および店休日くらいは調べておいて、予め旅程に組むくらいしたほうが安全です。地元の方だけが赴くようなお店にせよ観光客向けにある程度入りやすくつくられた店にせよ、数自体がまずございませんし、島内の集落の規模次第だとまったく外食できる店がないくらいの場所もあります。ノーチェックで行くと下手こいたら飲食だけのための大幅な移動とかやらかす羽目に……。
 釣り遠征ってなるとなおさらそれは避けたいですよね。だからね、食い物をどこでどのタイミングで食べるかは決めていきましょう。予約しろとまでは言いませんが、現地で食べるタイミングに開いているかくらい電話確認する程度の慎重さがあっても良いと思います。とはいえ、個人的には価格帯的に500~3,000円と割と多彩に外食をした上でも民宿でのご飯がダントツに美味いと感じたので、ある程度食事時間に縛られていいならば、もういっそ昼飯以外は宿で摂ってしまっても……と思いますね。

 あとは……そうそう、準備すべき道具。これは個人的に今回の反省点です。初めての釣り遠征ということもあって警戒しすぎたというか、ちょっと多く持って行き過ぎました。
 大まかな荷物として「釣り道具」「着替え」「アメニティない場合のシャンプータオルと歯ブラシ類」「クーラーボックス類」……「これらをまとめて運ぶキャリーカート」を持ち込んだのですが、
「着替え」は時期にもよりますが日にち分で大丈夫です。夏場であるとしても、基本的には肌着さえ必要回数換えられれば充分だと思います。その他は寝間着と防寒用の上着程度あれば。
「アメニティ」これは民宿だからと警戒しなくてもそこそこ用意してもらえます。浴衣なんかはさすがにありませんが、シャンプー・リンス・ボディーソープにフェイスタオルやバスタオル、ドライヤーや歯ブラシ周りはふつうにあります。普段使っているものでないと落ち着かないとかでなければ宿のもので充分かと。
「クーラーボックス」これを移動時に使う小さめのソフトケースのクーラーと、拠点用の大きめのハードケースの二種持っていったのですが、まあ釣種にもよりますがよほどでなければちょっとしたピクニック程度のソフトケースで充分です。数が増えるほど保冷剤的なものの荷が増えるというのもあまり良くないですし。
「キャリーカート」これ自体はフェリー前後で(本来は)すごく便利です。ないよりあった方が良いタイプのものなんですが、対馬厳原港のフェリー乗り場にはエレベーターがないので手で持ち上げて運ぶ感じになります。めっちゃきついです。キャリーがあることに安心していっぱい荷物積むとライトな地獄を見ますし、キャリー自体も車移動時には荷にしかならないので、旅行日程次第では手持ちでなんとかなるくらいに荷を抑えるのがベターなのではないかと思います。

 

 そんなこんなで、対馬の釣行記を書くはずがひたすらそろばん弾いているだけの内容にはなっておりますが、どこかの釣りびとの対馬遠征や見知らぬどなたかのちょっとした対馬旅行の参考になれば幸いに思います。
 いよいよ次回からは対馬遠征日記です。
 次回もあんまり釣れないぞい!(謎の掛け声を急遽策定したぞい)